88日の日数カウント&payslip証明の実務【2026年】セカンドビザの記録・書類

セカンドビザ(2年目のワーキングホリデービザ/subclass 417)を取るには、指定地域での「指定労働(specified work)」を3か月=最低88カレンダー日完了する必要があります。ただし審査で本当に問われるのは「88日働いたか」ではなく「88日働いたことを書類で証明できるか」です。この記事では、Department of Home Affairs(内務省)の公式ページをもとに、(1)何を「1日」としてカウントするのか、(2)payslip・銀行入金・雇用主レターなど証明に使える書類、(3)働き始めた初日からつけるべき記録、を実務目線で解説します。数値・制度は2026年7月時点で公式ページを確認したものです(金額や様式は改定されるため、申請前に必ず公式で最新を確認してください)。
そもそも「88日」は何日を指す?
公式(immi.homeaffairs.gov.au)では、3か月とは「1年で最も短い3か月分に相当する期間」=最低88カレンダー日と定義されています。ここでいうカレンダー日には、雇用期間中の週末や休息日も含まれます。つまり「実働88日」ではなく、フルタイム従業員がその職種・業種で3か月に働くのと同じ日数(またはシフト数)を満たすことが条件です。サードビザ(3年目)を狙う場合は6か月=最低179カレンダー日が同様の考え方で必要です。
公式が示す満たし方は次の3パターンです。
- 週5日、3か月(または6か月)連続で働く(piecework=出来高払い契約を含む)
- 週5日未満で、3か月(6か月)より長い期間をかけて働く(出来高払いを含む)
- フルタイム・パートタイム・出来高払いを組み合わせた複数の短期就労を合計し、「3か月にわたって週5日相当」に達する
いずれの場合も、その職種・業種でフルタイム従業員が通常働く日数・シフト数に達している必要があります。
1日を「2日分」にカウントできる?休暇や雨天は?
できません。公式は「同じ1カレンダー日に行った労働を、2日以上の指定労働としてカウントすることはできない」と明記しています。例えばその業種の標準的な1日が5時間の場合、1日に10時間働いても(1つのシフトでも、複数の雇用主にまたがっても)2日分にはなりません。
逆に、雇用期間中の週末・休息日はカレンダー日に含めて数えられます。雨天やオフの扱いは雇用形態と契約によって変わるため、あくまで「フルタイム相当の日数・シフトを満たしているか」で判断されます。判断に迷う場合は自分の労働日・時間を正確に記録しておき、申請時に説明できるようにしておくのが安全です。なお指定労働は、関連するオーストラリアの法律とアワード(裁定賃金)に従って支払われていることが前提です(無給や過少賃金の労働は原則カウント対象になりません)。
| ケース | カウントの考え方(2026年7月時点・公式ベース) |
|---|---|
| 週5日・3か月連続 | もっとも標準的。週末・休息日も88日に含めて計算 |
| 1日に長時間(例:10時間) | 何時間働いても1カレンダー日=1日。2日分にはならない |
| 複数雇用主を掛け持ち | 合計して「週5日相当×3か月」に達すればよい。ただし同一日は1日 |
| 出来高払い(piecework) | OK。ただし1日あたりの支払い・単価を証明できる書類が必要 |
| ボランティア(森林火災・洪水の復興) | 働いた日は1日として算入可(別途、証明レターが必要) |

88日を証明する書類は何?(公式リスト)
公式ページでは、指定労働3か月を証明する書類として次のものを挙げています。証明は働いたすべての期間をカバーしていなければなりません。
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| payslip(給与明細) | 雇用主名・ABN・期間・時給/日数がわかるもの。最重要 |
| オーストラリアの銀行明細 | 申告した指定労働の期間をカバーする入金記録 |
| piece rate(出来高払い)契約書 | 出来高払いだった場合。単価と計測方法が記載されていること |
| group certificate / payment summary | 年間の給与・源泉徴収をまとめた書類 |
| tax return(確定申告) | 就労と収入の裏付けに |
| employer reference(雇用主レター) | 就労期間・業務内容・場所を雇用主が記載 |
| 給与控除に関する書面合意 | 宿泊費など合法な控除がある場合、その書面合意 |
公式は「あなたの就労内容を確認するため、内務省があなたの雇用主に連絡することがあります」と注意しています。書類のつじつまが合うこと、そして雇用主が実在し連絡が取れることが重要です。
森林火災・洪水の復興ボランティアで日数を稼いだ場合は、ボランティアのコーディネーターやホストが署名したレター(あなたのパスポート番号、業務内容、場所とpostcode、従事した日数を含む)を提出します。
payslipに必ず載っているべき項目は?ABNはなぜ大事?
内務省は雇用主をABN(Australian Business Number)で識別します。つまりpayslipや雇用主レターに記載されたABNが、実際に働いた事業者のものと一致していることが、証明の信頼性を左右します。ファームジョブでは仲介業者(hostel/labour hire)を介するケースが多く、「payslipを出す会社」と「実際の農場」が違うと、後から確認で問題になりやすいポイントです。
- 雇用主の名称とABN(登録番号)
- あなたの氏名・給与期間(from〜to)
- 時給または出来高単価、労働時間または出来高数量
- 総支給・控除・手取り、支払日
- スーパーアニュエーション(退職年金)の拠出額(該当する場合)
採用時に雇用主のABNを控え、payslipの数字と実際の銀行入金額が一致するかを毎回確認しておきましょう。payslipだけ、入金だけ、では弱く、両方そろって初めて強い証拠になります。
働き始めた初日からつけるべき記録は?
証明トラブルの多くは「後から思い出せない・書類が足りない」ことが原因です。初日から次を記録しておくと、申請時にそのまま証拠として使えます。
- 日付:働いた日・休んだ日(週末含む)をカレンダーで管理
- 時間・シフト:開始/終了時刻、休憩
- 場所とpostcode:農場・現場の住所(指定地域かの裏付け)
- 雇用主名とABN:仲介と実雇用者の両方
- payslip・入金のスクリーンショット:毎回保存(帰国後・数年後に求められることもある)
これらを1つのフォルダ(クラウド推奨)にまとめておけば、書類の紛失や「期間の穴」を防げます。オーストラリアを離れたあと数年経ってから確認を求められる可能性もあるため、証拠は長期保存が安全です。
虚偽の申告をするとどうなる?
実際には満たしていない日数を申告する、書類を偽造する、といった行為は重大なリスクです。内務省は、申請の判断材料として重要な事項について「false or misleading in a material particular(重要な点で虚偽または誤解を招く)」情報を提供した場合、それが判断に影響したか否かにかかわらず問題になると定義しています。虚偽申告はビザの拒否・取り消しにつながり得ます。88日は「盛る」ものではなく、正しく働いて正しく記録するものだと考えてください。数字が足りなければ、無理に申告せず、追加で指定労働を積むのが結果的に一番の近道です。
申請のとき、証明書類はどう出す?
公式によると、オーストラリア国内で申請する場合は、申請時に証明書類を添付する必要はありません。ただしオーストラリア国外で申請していて証拠を添付しない場合、追加情報を求めるために処理が遅れることがあります。いずれの場合も、内務省から後日提示を求められたときにすぐ出せる状態にしておくのが安全です。国内申請でも書類は必ず手元に保管しておきましょう。
指定労働の全体像(条件・対象地域・注意点)はハブ記事「オーストラリアワーホリ セカンドビザと88日の規定労働」で解説しています。仕事の探し方は「オーストラリアのファームジョブの探し方」、収穫期の目安は「ファームジョブ 地域別・作物別カレンダー」、3年目を狙う人は「サードビザ(3年目)取得条件」もあわせてご覧ください。

よくある質問
Q. 88日は連続でなくてもいい?
A. はい。週5日を3か月連続で働く方法のほか、週5日未満を長い期間かけて、あるいは複数の短期就労を組み合わせて「3か月にわたり週5日相当」に達すればよいと公式に示されています。ただし同じ1日を2日分にはカウントできません。
Q. 1日に長時間働けば早く88日たまる?
A. たまりません。何時間働いても1カレンダー日は1日としてのみカウントされます(公式明記)。日数はあくまで「フルタイム相当の日数・シフト」で数えます。
Q. payslipをもらえなかった期間はどうする?
A. 銀行入金明細、雇用主レター、payment summary、tax returnなど、公式が認める複数の書類で期間をカバーします。出来高払いなら単価と計測方法を書いた契約書も有効です。証明は働いた全期間をカバーする必要があります。
Q. 現金払いのファームは大丈夫?
A. リスクが高いです。指定労働は法律・アワードに従って支払われていることが前提で、証明も難しくなります。ABNのある雇用主で、payslipと銀行入金が残る形が安全です。
Q. 記録はいつまで保管すべき?
A. できるだけ長期に。オーストラリアを離れたあと数年経ってから証拠の提示を求められることもあります。